「ピアニスト萩原由美の今」について

2012.01.20

昨年、京都の上賀茂から西賀茂に転居して、環境も変わり、お付き合いもひろがり母の介護環境もかわり、当然ながら我が心の中身も日々変遷しております。
今まで片付けられなかった大きな問題にも、だんだん真っ直ぐ向き合えるようになってきました。わたしの教室に通われる大人の生徒さんというのは、また子供と違い、すでに人生経験豊かな方が多く、どち
らが先生かわからないぐらいそれぞれに、素晴らしい知恵や学問や思考などをお持ちです。
生徒さんにいろんなことに気づかされ、認識を新たに自己を見つめることもできます。最近は、自己肯定感について考えることが多いとともに、作曲家自身の自己肯定感を感じるようになりました。
自分の喜怒哀楽を認めることができるようになると、素直な演奏につながるように感じます。シューベルトのソナタに少し身を任せているこの頃です。
自分の中にないものは、表現できません。単に、先生やCDから得た情報と練習と、いかにも自分が弾いているんだ、という錯覚が演奏になっているようなコンサートやCDに出会う場合もあります。
こんなこというと先生方からは、反発がかえってきそうですね。
わたしの師匠は、 ウィーンにしかいません。あえていうなら、出会う子供からおばあちゃんまでみんな師匠であり、この自然にあふれた世界そのものの森羅万象がわたしに語ってくれることに耳を傾けることと、ゆったりリラックスすることが我が音楽が心でなり始める原点です。
早生まれで声も小さくとてもおとなしかったわたしを、当時できたてのオルガン教室に連れて行ってくれた両親に感謝しています。わたしは、ふつうに三年間オルガン教室に通ってからピアノに移った生徒でした。
2月20日萩原由美
(東大阪短大講師時代)

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