萩原先生にインタビュー!

2012.06.03

※過去のインタビューです。

「萩原音楽教室にしたくなかった理由」

≫「あるぱかピアノ教室」というのはとてもユニークな教室名ですね。

そうですね。
アルパカのあのぼ一っとした感じというか 人懐こい感じが私そのものなので、ちょうど似合ってるかなと思いまして(笑)。
それと、ぱぴぷぺぽが入っている名前のほうが明るい感じがしていいかなと。
この場所に教室を開いた2011年の1月から使っています。
「萩原音楽教室」のような名前にはしたくなかったので。

≫お部屋の中はどんな感じなんですか。

16畳のスペースを使っています。
前はブティックやガレージとして使われていたそうなんですが、場所もアクセスも広さも理想的な建物でした。
窓は船室のように丸く切り抜き、靴脱ぎは緑とピンクの幾何学模様で楽しい感じにしまして、透明のドアを開けると教室ですが、すぐデジタルピアノ2台が並んでいて、対面にグランドピアノがあります。
横にはいろいろなキーボード類も置いてあります。
空いたスペースには中世ヨーロッパにあった手廻しオルガンがあったり、ピアノの下には共鳴台を置いてスイス製のオルゴールを7つぐらい置いたりもしています。
最初からピアノだけ、というのではなく、さまざまな楽器から音楽に親しめるように、どこから入ってもいいようにしています。
ですから、子どもがオルゴールで聴いた曲を弾きたいと言えば、私がそれを楽譜に起こして渡したりもします。

≫楽しそうですね。壁はどんな色なんでしょうか。

オフホワイトです。
絵が好きなので、シャガールの大きな絵を掛けるのにちょうどいいかなと思ったのと、自分でも大きな紙にクレパスでホウレン草を描いたり、抽象画を描いたりして飾っています。
子どもが自由に描けるお絵かきコーナーもつくってありまして、その隣にはアクリル絵の具でたくさん丸を書いて、その中に生徒の名前を書くようにしています。
今ではその丸のスペースが足りなくなるぐらいになりました。
「教育」とか「教室」というのではなく、生徒がゆっくり遊んだり、コンサートを開いたり、自由に楽しめる空間をつくりたかったので。
それで名前も「サロン」にしたんです。

≫なるほど。どんな生徒さんが通われているのですか。

下は5歳から上は80歳まで。
以前は92歳の人に教えたにともありますよ。
一番多いのは小学校低学年ですが、いろんな世代の方がいらっしゃいます。
今通われている80歳の方はもう10年以上になります。
私はお年寄りの相手も得意なものですから(笑)。
レッスン時間のほとんどがおしゃべりで終わるなんていうこともあるんですが、ご家族の方の話では、毎週本当に楽しみにしておられるということなので。



追い詰めることは絶対しない。たもにボケるふりも必要

≫教える上での先生のポリシーはどんなことですか。

いろいろな方がいますし、 百人百様です。
子どもでも大人でもそれぞれにニーズがあります。
一番やりたいことから出発します。
それを認めることからしか始まらないと思うんです。
いやな思いはさせない、というのがポリシーですね。

ためいきついたり、「なぜできないの」「どうして練習しないの」などは絶対言いません。
練習できなかったのには深い理由があることもありますし、定期テストなどの前はで
きなくて当然、したくないときだってあるでしょうし。
レッスン中にちょっとうまくいかないなと思ったときなどは、わざと私が席をはずします。
何がなんでも言ったとおり弾きなさい、というようにずっとそばについて追い詰めるようなことは絶対しません。
「先生ちょっと用を思い出したから、一人でやっててね」と部屋を出て、実は外でちゃんと聴いています。
そうすると子どもはすごくリラックスしてできるんですね。
で、しばらくして戻って「なんかちゃんと弾けてたみたいだけど」とわざとボケたようなふりをします。
ボケるふりはとても得意なんです(笑)。
そうすると生徒は安心しますね。
安心してもらわないと自分が思った音は出ませんし、先生は何でも知ってるよ、という顔はしません。
保護者の方の中にも、間違ったらだめ、という姿勢で家でもぴったりそばについて練習させる、というような方もいらっしゃるのですが、逆効果だからやめてください、 Faのシャープが取れても放っておいてください、と言っています。



リラックスしながら本物を教える

≫生徒さんが安心して楽しく音楽に向き合っているようすがよくわかりきました。

リラックスしながら本物を教える、というのが私の信条です。
レベルはどの子も早くあがっていくんですよ。
コンクールを目指す気持ちはありませんが、どの子にとっても、音楽が一生の宝物になってくれればと思って教えています。
続けているうちに、他の事に興味が出てきたり、やりたくない、という気持ちになることもありますよね。
そういうときはレッスンの回数を減らしたり、楽した方がええよ、と先に言ってあげます。
優先順位をつけられない子もいますので、今は受験勉強をがんばる時期とか、一緒に
整理してあげたり、期限を区切って休ませて、また来たらええよ、と言ったり。
絶対やめたらだめ、とは言わないんです。
ただし、いつでも再開できるように常に連絡先は渡しておきます。
細く、長く、無理せず楽しく音楽とつきあっていってもらえたらと思っています。

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